ある人に対して自分で裁判をして「500万円を支払え」という勝訴判決を取ったのですが、それでも支払ってくれません。


仕方のない相手ですね。では、強制執行をしてしまいましょう。
強制執行って何ですか?


債務名義とは?
勝訴判決のように、公的機関が債権の存在を認めた「文書」です。
これさえあれば、あなたの債権の実現のために執行機関が動き始めます。
- 裁判上の和解調書(裁判を起こしてから、裁判所の関与のもとで和解をした内容を記した文書)
- 公証役場で作った文書(公正証書)で、強制執行認諾文言(支払をしないときは直ちに強制執行を受けても異議がありません、というような文言)のあるもの
これらも、債務名義の一種です。
執行官とは?
各地方裁判所に所属する裁判所職員ですが、独立の採算制を取っている特殊な公務員です。
不動産の明け渡しや、動産の差し押さえなどでは執行官が現地に出向いて執行をします。
強制執行にはどんな種類がある?
不動産の差し押え
相手方が所有している不動産(土地・建物)を差し押さえ、競売してお金にしてしまいます。
申し立ての段階で費用がかかりますので、抵当権が設定されている(=銀行などへの担保に入っている)場合は、慎重にする必要があります。
給与の差し押え
代表的な債権回収方法です。ただし、勤務先がどこであるかを調査する必要があります。
裁判所から勤務先に対して通知が行き、給与の一部をこちらに支払わせます。
養育費等にもとづく場合は、差し押さえ可能な範囲が異なります。
預金の差し押え
やはり代表的な強制執行の方法です。
ただし、銀行名と支店名を特定して差し押さえる必要があります。
賃料の差し押さえ
相手方が不動産を誰かに貸している場合、その賃料を差し押さえてしまうという方法があります。
裁判所から賃借人に通知がいき、その後は賃借人から取り立てができます。
各種の債権の差し押さえ
売掛金などを有している場合、それを押さえてしまうという方法です。
やはり裁判所から売掛先に通知がいき、取り立てができるようになります。
動産執行
商品や什器備品などを差し押さえて、お金に換えてしまう方法です。一定期間執行官が保管したあと、競り売りなどの方法で換価します。

強制執行は、先方が有する財産の情報をこちらが収集する必要があり、知識と経験が必要になります。弁護士は、債権回収の専門家です。ぜひご相談ください。