独立まで

前回ホームページ開設のことを書いたので、その続きです。

勤務弁護士時代

個人ホームページを開設してからはそれ経由のお客さんがそれなりに来ていて「独立しても何とかやっていけそうな気がするし、別に今すぐしなくてもいい」という状況がずっと続いていました。そういう状況というのは実はとても心地よく、ついつい何となく勤務弁護士を続けてしまっていました。

(サラリーマンの方も多分そういう状況がいちばん居心地がよいのではないでしょうか。独立してもやっていけそうなテレビ局のアナウンサーの方とかなかなか辞めないですよね…)

ただ将来のことを考えるといつまでも勤務弁護士でいるわけにもいかず、いずれは経営側に立つ必要がありました。

そうなると、当時私がやっていたこぢんまりとしたウェブ経由の集客と、所属していた事務所の経営体制の融合というのは難しいように思いましたし、私自身も色々と新しいチャレンジをしてみたいという気持ちがずっとありました。

ですので最終的には独立という方向で決心しつつも、踏ん切りがつかないまま時間が過ぎていくという状況でした。

独立のきっかけ~10円ハゲが!~

そんな感じで楽しく勤務弁護士をしていたわけですが、さすがに勤務弁護士としてのキャリアが10年に近くなりはじめるとだいぶ焦りはじめました。独立して集客方法を確立して経営基盤を固めて、ということを考えると体力のあるうち、若いうちに独立した方がいい。しかし現状はあまりに居心地がいい…という状況のまま時間ばかりが過ぎていきました。

きっかけは意外なときに来ました。忘れもしない2018年10月21日、後頭部に大きな10円ハゲができていたのです。その時私は「現状のままではいけない。独立しよう!」と決心したのでした…。

男はその時、自分にはそれほど長い時間が残されていないことに気づいたのでした…。

2週間ほど慎重に考えたあと事務所に独立の意思を伝え、後任の弁護士の採用と引継ぎも考えて独立の時期は2020年4月1日と決めました。

(なお不思議なことに、独立を決めてすぐに10円ハゲに白髪が少しずつ生え始め、その後完治したのでした…)

どんな事務所に?

そこでどんな事務所にするか考えたのですが、ネットでいろいろと調べていると「IT技術を生かした(ほぼ)ワンオペ・ミニマム経営」を看板にする弁護士が増え始めていました。影響を受けた私は、まずは「都会の小規模物件・ミニマム経営・IT導入」という方針で進めることにしました。

東京や大阪の弁護士の先進的な経営スタイルをかっこいいと思いました!

実際にさまざまな手法を試してみたところ、確かにスケジュール管理・タスク管理・帳簿管理等はかなりアプリで効率化できることがわかりました。そこで最初はワンオペ(事務員なし)+電話秘書サービスという体制にすることにしました。

物件は天神すぐ近くの大名に借りました。大名はミニマム経営のSOHO的な物件も多く、事務所のイメージに合う活気のある街でした。

独立寸前、部屋のレイアウト検討中の1枚です。ITっぽさを意識しています(笑)

独立・即・裁判所停止!

しかし2020年4月1日大安吉日、晴れて新事務所「福岡大名法律事務所」を開設した6日後、コロナ禍による緊急事態宣言が発令され裁判の期日も全て取り消しとなり、新規の相談申込もパタリと止まったのでした…(汗)。

独立後のことはまた別の機会にお話ししたいと思いますが、結果的にミニマム経営の方針をとっていたことでコロナ禍によるダメージは最小限で済んだと思います(少しだけ現在の状況をおはなししますと、ミニマム経営の強みを生かして機動的な対応を心がけた結果、皆さまからの評判も「メールに対するレスポンスが早い」「弁護士が直接、親身になって対応してくれる」とまずは上々です)。

ちなみに今は純粋なワンオペではなく、ちょくちょく妻に手伝ってもらっています。

(相談の際も妻がお茶を出すだけでも受任率がだいぶ違うような…。独立してみると、自分の力だけでできることには限界があることがわかりますね)

独立1周年。また春がやってきました。

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